拍手イラスト付きSSログ

2012年12月28日

GS3 設楽 聖司

いつも一歩先をリードするちょっと意地悪な先輩って、設定がめちゃ好みなのですよ^^*


『 忘れ物 』


 出かけようとする俺を、小さな足音が引き止める。

「聖司先輩、忘れ物ですよ」

 その声とともに、首元をふわりと優しいぬくもりがなでる。

「今日は冷えると言っていましたから、これで暖かくしていてくださいね」

 彼女はそう言って、俺のお気に入りのマフラーを手渡してくれた。

設楽聖司2
設楽聖司2

「それを言うなら、お前だって忘れているじゃないか」

 不思議そうに首をかしげる彼女の耳元に、そっと唇を寄せる。

「いってらっしゃい、のキスがない」

 俺の言葉に驚いたように目を丸くしたかと思うと、みるみるうちに真っ赤になる。

「先輩の意地悪っ!」

 そう言いつつも、彼女は恥ずかしそうにだが、静かに瞳を閉じる。

 彼女が分けてくれるこの甘い熱があれば、冬の寒さなど微塵も感じないんだよな。

設楽聖司2/差分
設楽聖司2/差分

~Fin~

アーカイブ

Powered by Blogger.

QooQ