オリジナル小説のキャラ名をGSに置き換えてみたという、完全なお遊びSSになります。
このSSは長編小説の一部抜粋になります。
告知と第1話を読んだよ、処々の注意書きすべてオッケーだよって人は続きをどうぞ!
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「レッドムーン 第2話」
かりんはもう一度まどかと、それから和馬を目で追って、後ろ髪を引かれる思いでその場を離れる。
こうなったら二人を止めることはできない。
今のかりんにできることは、桜弥の言うとおり、二人を信じて待つことしかないのだ。
「これが勝てるチャンスだって言うなら、俺のことを買いかぶりすぎだろ」
和馬は足下に転がる宝刀を素早く拾い上げると、そのまま一直線にまどかに切りかかった。
しかし宝刀はまどかを捕らえることなく空を切る。
剣を振り払う和馬の肩に手を置いて、まどかはそれを軸にして上空をくるりと一回転し、その背後に静かに降り立った。
「それなら、期待を裏切ってくれるのを祈っとるわ」
まどかの静かな声を切り裂くように、和馬は振り向きざま剣を振るう。
それをまどかは後方に軽く飛び退いて、ぎりぎりでかわした。
間髪入れず、宝刀はまどかに牙をむく。
四方から繰り出される連続攻撃を、まどかはわずかに剣筋をずらした程度のきわどい距離でだが、確実に避けていく。
危うい感じではあるが、それでも剣で受け止めずに逃げきれるだけの余裕はあるようだ。
「スピードもあるし攻撃のつなぎも悪ない。せやけど、直線的な動きだけでは俺を捕らえることはでけへん」
確かにまどかの言うとおり、和馬の攻撃は直線的で力任せな、ある意味強引な感じがある。
荒々しい一撃は、当たれば相当なダメージを与えるだろうが、まどかは柔軟な身のこなしでそれをかわしていく。
対照的な二人の動きは、決して交わることがない。
「分からへんな。なんで彼女がジブンに惚れたんか」
まどかの言葉に、いったん攻撃の手を休めると、和馬は呟くようにそれに答える。
「そんなの俺が知りてぇぐらいだぜ」
剣を構え直すと、和馬は顔を上げ、すぐにまたまどかに斬りかかる。
まどかが和馬の攻撃から逃げ続けている限り、勝負がつかないのではないのかと思っていたが、風向きが変わったのはその一撃からだった。
(第3話に続く)
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ちなみに宝刀は和馬のみが使えるものだが、かりんが黙って持ち出していました。
なので最初のまどかとの勝負では、和馬は本領発揮できていなかったわけです。
でも和馬が買いかぶりすぎと言っているだけに、宝刀があっても勝てたかどうか怪しい~という、そういう扱いのヒーローなのです(苦笑)