特別企画 3週連続連載SS(オリジナル設定)の第1話です。
オリジナル小説のキャラ名をGSに置き換えてみたという、完全なお遊びSSになります。
このSSは長編小説の一部抜粋になります。
【これまでのストーリー】
かりんをダシにして勝負を仕掛けてきたまどか相手に、なんと和馬は負けてしまった。
かりんはまどかの元から離れることができず、和馬を心配に思うのだが……。
という前置きから話が始まっています。
ジャンルが剣と魔法の王道ファンタジーという完全な創作設定になってます。
そういうのを楽しんで読める人のみ続きをどうぞ!
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「レッド・ムーン 1話」
朝日の差し込む窓の外に、横切る黒い影を見つけて、かりんは息を呑んだ。
そのまま扉へ駆け寄り外へ出ようとしたところで、後ろから伸びた腕がそれを引き留める。
「昨日の今日でもう来るなんて、よっぽどジブンが心配なんやな」
「まどか……」
振り向いて、きらきらと光る好戦的な眼差しを前にして、かりんは思わず言葉を失った。
昨日は和馬がどんなヤツか見てみたかった、なんて言っていたけれど、本心はもっと別のところにありそうだ。
穏便に済ませたいのに、それを許してくれない強い瞳が、かりんを不安にさせる。
「ジブンを悲しませるようなことはせんと誓うから、そないな顔をせんでくれ」
よほど心配そうな顔をしていたのか、まどかはそう言うと、そっとかりんの頬に口づけた。
あまりにさりげなくそんなことをされて、かりんは思わず呆然と立ち尽くす。
どうしてこう和馬もまどかも、挨拶代わりにキスをするんだろう。
王族のしきたりとやらには、とてもなじめそうにない。
かりんは唇の触れた頬に手を当て、軽くため息をついた。
***
まどかとその隣に並ぶかりんを見て、和馬はどこか面倒そうな口調で、静かに告げた。
「俺が気に入らねぇのは分かってる。だが、そいつは関係ないはずだ」
その言葉に、まどかはわざとかりんを引き寄せると、まるで挑発するように口を開く。
「そう思うなら、俺から奪い取ってみろと言ったはずやけど」
「俺に戦えと?」
不機嫌な表情で、吐き捨てるように和馬が言う。
それは、勝つ見込みのない勝負。
勝敗の分かりきった戦いで剣を抜くほど、和馬は奇跡なんてものを信じてはいない。
「勝てるチャンスを与えたる。それで負けるなら、ジブンに彼女は任せられへんな」
まどかはかりんの手から宝刀を取ると、和馬に向けて放り投げた。
その行為にかりんは思わず睨みつけたが、まどかは危ないから離れていろと耳打ちして、その手を離す。
「大丈夫です。お二人とも、無茶なことはしませんよ」
後ろに控えていた桜弥が駆け寄ってきて、不安をにじませるかりんに優しく微笑みかけた。
(第2話に続く)
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まどかの関西弁がエセっぽい~!(涙)
本当は関西弁がネックで他のキャラ(氷室先生とか壬くんとかー)にしようか迷ったんだけど、キャラ的には一番まどかがしっくり来るので、頑張って関西弁変換してますw
ってことで、口調が変でも大目に見てね?